プロジェクトマネージャの役割

IPAのプロジェクトマネージャ試験の要綱が改定された。

対象者像の改訂前後の変更点を比較してみると以下のようになる。

■改訂前
高度IT人材として確立した専門分野をもち,システム開発プロジェクトの目標の達成に向けて、責任をもって、プロジェクト全体計画(プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画)を作成し,必要となる要員や資源を確保し,予算,スケジュール,品質などの計画に基づいてプロジェクトを実行・管理する者
■改訂後
高度IT人材として確立した専門分野をもち,組織の戦略の実現に寄与することを目的とするシステム開発プロジェクトにおいて,プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を単独で又はチームの一員として担う者
差異と目立つのは、改訂前はプロジェクトの目標の達成がミッションとなっていたのが、
改定後はプロジェクトの目的の実現に変わっている点である。
プロジェクトマネージャ試験の受験経験があれば、この差異はピンとくるが、
受験経験がないと理解しづらいかもしれない。
両者の差異は、
  • プロジェクトの目標

IPA風にはITストラテジストなどによって設定された)プロジェクトマネージャに

課されている品質、コスト、納期(いわゆるQCD)の目標

このくらいの品質でいつまでにいくらで完成させるという目標である。
  • プロジェクトの目的

プロジェクトが実現・解決すべきビジネス上の目的、課題

リードタイム短縮や自動化によるオペレーションコスト削減などといった目的である。

となる。

 

プロジェクトマネージャ試験が想定する対象者像の変更にまで波及してきていることを

考えると、プロジェクトマネージャに求められる役割はプロジェクトの目的の実現が

メインになってきており、従来型のQCD達成というのは役割の一部でしかなくなって

きているということだろう。